【在宅ワークもOK】テープ起こしとは?仕事内容や納品形式の基礎知識

公開:2023/06/08 更新:2024/09/26
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【在宅ワークもOK】テープ起こしとは?仕事内容や納品形式の基礎知識

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在宅でできる仕事には、手軽にできる内職から専門性が問われる業務までさまざまなものがあります。比較的チャレンジがしやすく人気の高い「テープ起こし」は、音声を聞いて文字にする(入力する)職業です。

この記事では、テープ起こしの業務内容や必要な資格・スキル、実際に求められる納品形式について詳しく紹介します。これから在宅で仕事やアルバイトを探そうと考えている方はぜひチェックしてください。

在宅ワークでできるテープ起こしはどんな仕事?


在宅ワークでできるテープ起こしは、どのような仕事なのでしょうか。ここからは仕事の概要や具体的な作業内容、仕事の進め方についてみていきましょう。

在宅テープ起こしの仕事とは

在宅テープ起こしの仕事は、自宅またはインターネット環境の整った場所で音声を聞き、クライアントから依頼された形式に沿って文字化した文章を納品する仕事です。

テープ起こしとは「テープの内容を文字に起こす」意味であり、かつては音声の記録媒体がカセットテープなどだったため、この呼ばれ方が定着しました。現在ではクライアントから送付される音声は、クライアント側のサイトにアップロードされたものにアクセスするか、またはmp3などの音声データとして送付される形式が一般的です。

在宅テープ起こしの内容

テープ起こしの具体的な内容としては、新聞や雑誌のようなメディア媒体に掲載されるインタビュー・講話・対談を文字に起こしたものが多く、近年では動画サイトやSNS上にアップされた動画から文字を抜き出す形式も増えています。

発話者が1人または2人の音声が多くみられますが、なかには会議や複数人が発話する形式の対談も含まれます。

医学や行政に関する集まりのテープ起こしは専門用語が含まれるほか、通信環境や録音媒体の問題で音声が不明瞭なものもあるため、慎重に文字化していかなければなりません。

在宅テープ起こしの進め方

在宅ワークとしてテープ起こしを行う場合、仕事の進め方は以下のような流れになります。

 【在宅テープ起こしの仕事の進め方】
  • 案件(作業内容)を確認する
  • 音声を聞きながら文字に起こす
  • 納品方式に沿ってケバなどを取る
  • 完成原稿を再度見直して整える
  • 見直し後、原稿を納品する
  • 次の案件・作業に取り掛かる
作業の内容をチェックし、文字に起こす作業にはまとまった時間がかかります。たとえば1回分の音声が会議の場合、60分の会議であれば60分ぶんの聞き取りとテープ起こしが必要になります。

文字に起こしてからは、納品方式に沿って「ケバ取り」や「整文」を行います。場合によっては何度も同じ音声を聞いて文字化しなければならないため、雑音が入ったものや不明瞭な音声は予想以上に時間がかかるケースもあります。

テープ起こしに資格やスキルは必要?

テープ起こしを行う際に、特別な資格は必要ありません。スキルとしてはタイピングなど、一定のPCスキルがあると安心です。具体的に必要となるスキルについて詳しくみていきましょう。

タイピング

テープ起こしに求められるスキルのひとつに、タイピング能力が挙げられます。文章の入力を行う際に手元を見ずに、キーボードの位置を覚えて行う「タッチタイピング(ブラインドタイピング)」の能力があれば、聞いた音や語彙をスピーディに入力できるため、作業が効率的に行なえます。

タイピングは毎日コツコツと練習することでキーの配列が覚えられるため、タッチタイピングが苦手な場合はテープ起こしの仕事をしながら、手元を見ずに行う練習を重ねていくことが大切です。

文章能力

テープ起こしでは、「ケバ取り」と呼ばれる作業が必要になる場合もあります。ケバ取りの「ケバ」とは「えー」「まあ」といった意味を持たない語句のことで、「うんうん」「そうそう」といった相づちや「あはは」「ふふ」という笑い声も場合によってはケバに含まれます。

こうしたケバを省いて文章として完成させるためには、一定の文章能力が必要です。ケバまで含めてしまうときちんとした文章として成立しなくなるものもあるため、テープ起こしを終えてから文章を読み返し、一貫した文章の流れができているかを確認しなければなりません

専門ジャンルの基礎知識

自分が得意とする、あるいは詳しく内容を理解できる専門ジャンルがあれば、テープ起こしの仕事にも活かすことができます。

たとえばゲームに詳しい人がゲームに関する音声を聞いたときは、スムーズに文字化ができるでしょう。専門系の会社や職種の勤務経験がある人は、難解な専門用語の入力や音声の内容理解に時間をとられずに済むメリットがあります。

経験のある人とない人では、テープ起こしひとつにかかる時間にも幅が出てきます。専門性が活かせる案件を選べばスムーズに作業が進められるため、効率的に繋げられるでしょう。

在宅ワークでできるテープ起こしの納品形式


在宅ワークのテープ起こしでは、大きく分けて3種類の納品形式がみられます。「素起こし」「ケバ取り」「整文」のそれぞれについてみていきましょう。

素起こし

素起こしとは、素のまま(音を聞いたまま)文字に起こす方法です。発話の音声のほか、音声データに含まれる音もすべて拾って文字化します。たとえば講演会の音声で、会場がどっと湧き上がったときは「会場・笑い」のように表記します。

素起こしは一見手軽に思えますが、ケバ取りや整文の必要がないため、自己判断で文章に手を加えてしまうと正しい納品形式を満たさなくなってしまいます。

「えーそうですね」「まあそんな感じっす」というように、ケバの部分やその人に特有の口ぐせも含めなくてはならないため、方言若者言葉専門用語もすべて文字に起こされていなければなりません。

ケバ取り

ケバ取りとは、「あの、」「うんうん」「まあ」「えーと…」といった、それ自体に意味をもたない語句を取り除く方法です。

テープ起こしの多くはこのケバ取り作業の割合が多くみられます。特に会話や対話形式の音声では、コミュニケーションをとりながら話題を展開するために、ケバが多く含まれてしまいます。

ケバを取らずに文章を完成させると意味の通らない部分が出てきてしまうため、ケバ取りはほとんどのテープ起こしに必要な作業となります。

整文

整文(せいぶん)とは、聞き取った音声のケバ取りをまず行い、次に言い回し・表現を読みやすいものに変更して、文章全体を整える方法です。

たとえば会話の中に禁句が含まれている場合は、その語句を別の言い方に直します。方言や若者言葉などを含む極度の話し言葉も、わかりやすい書き言葉に変更するといった訂正を行います。

日本語は語順に決まりがないため、突然目的語や述語が登場することがあります。そうした文は倒置しやすく、たとえば「エイプリルフールあるじゃん。もうすぐ」という言葉は「もうすぐエイプリルフールがあるね(ありますね)」というように整えます。

在宅ワークでテープ起こしを行うメリット

在宅ワークとしてテープ起こしを行うことで、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。

 【在宅ワークのテープ起こしのメリット】
  • タイピングスキルが伸びる
  • 在宅可能なため出社が不要
  • 座り仕事のため疲れにくい
  • 時間を選ばずすき間に働ける
  • 専門知識や経験が活かせる場合も
文字化を進めるなかで、タイピングが速いほど作業効率がアップします。やる気や継続度に応じてタイピングスキルを伸ばしていけるのが在宅のテープ起こしのメリットです。

在宅での作業が可能なため、出社も不要です。立ち仕事ではないため、座ったまま自由な姿勢で楽に作業ができることも長所といえるでしょう。ほとんどのテープ起こし作業は時間を選ばずに働けるため、他の仕事と掛け持ちができるケースもあります。

過去にテープ起こしを行った経験がある、または専門的な知識や経験がありテープ起こしの内容が理解できるような場合も、仕事を進めるうえで効率化に役立ちます。